読書ノート
計算機やるなら読んどけ
- ソフトウェア作法(カーニハン&プローガー,木村泉訳)
古典的名著。FORTRANを題材にしているとはいえ、内容の大部分は今でも有用である(FORTRANでもモダンなプログラミングスタイルを実現できる、という風に読むのが正しい)。手続き的プログラミングの全貌が学べる。わたしはこの本でプログラミングを学びました。
- プログラミング言語C(カーニハン&リッチー,石田晴久訳)
「Cを学ぶのにいい本はありませんか?」というFAQがあるが、答えはコレ。間違っても「入門C言語」などという本を買うべきではない。それはさておき、この本がC言語の原典。よく「難しすぎる」などという声を耳にするが、この本を読んで理解できなかったのであればCを理解することはできないであろう。
- プログラミング言語C++(ストロウストラップ,長尾高弘訳)
C++言語の原典。いい本ではあるのだが、少々厚すぎるのが問題。どの章からも考え抜かれたテクニックを学ぶことができる。
- Essential C++(リップマン,鈴木茂哉訳)
現在もっともお薦めできるC++入門書。オブジェクト指向に偏ることなく、C++の全貌を知ることができる。自然にSTLを使ったプログラムを書けるようになるのもすばらしい。
日本人を論じるなら読んどけ
- 空気の研究(山本七平)
山本七平というと「日本人とユダヤ人」があまりに有名になってしまったが、もっとも「日本人」の本質に迫る本と言えばこれではないだろうか。日本人にとっての近代とは「掘り起こし共鳴」であり、西欧文明の輸入ではないことは他の著書で明らかにされているが、この本では「日本人」の行動様式の根源を暴き出している。「空気」の理解なしに日本人の正しい理解も、明るい日本の将来もないと言って過言ではない。
- 戦時期日本の精神史(鶴見俊輔)
「転向」を軸に、多様な価値観が「軍国主義」に収束していった歴史を論じている。これが単なる「歴史」なのか、じっくり考えてみたい。
- 学歴社会 新しい文明病(R.P.ドーア,松居弘道訳)
教育学の泰斗による定番の名著であるが、むしろあおきは上記の本を読んだ後に批判的に読むことをお薦めしたい。「後発効果」仮説に対してて「ホントにそうか?」という視点を持つことが重要であろう。
- 日本の音楽を考える(小島美子)
日本人にしみついた音階やリズムについて考える出発点となる本。それはまた、われわれ日本人が西洋音楽を演奏するということに対する補助線でもある。演奏に直接役に立つわけではないが、背景として知っておくべきであろう。
- 教育入門(堀尾輝久)
堀尾氏は教育学の泰斗であるのだが、わたしが大学入学と同時に退官されて、記念講演を聞いた記憶がある。講演自体よりも、質疑応答で「わたしも若い頃はニヒルでエリート意識の強い学生だった」という告白が印象に残っている。それはともかく、教育論について一席ブツのなら基礎知識としてこの本くらいは眺めて置いたほうがいいだろう。いやもうホントに。
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