伝説の×××

番宣でちょろっと見ただけなんだけど「伝説の料理人」とかなんとかいうドラマがあったような気がする。
たしか梅宮辰夫が主人公で、かつては名声をほしいままにした名料理人だったんだけど今じゃ包丁を捨て旅をしている。だが逗留している旅館の美人女将のピンチを救うため、捨てたはずの包丁を取りウンタラカンタラ、みたいなストーリーだった。

いいよね。

「かつては凄腕の×××だったんだけど今ではそれを隠して云々」
いいじゃないですか。そして美女を救うためにかつての腕を振るうわけですよ。具体的にどうするんだか憶えてないけど。

こういうおばかなの大好き♪

ってことで、ちょっと考えてみた。やっぱそういうカッコいい物語の主人公になってみたいじゃん。

◎伝説のプログラマ
主人公はかつて凄腕のプログラマと呼ばれた男だが今ではそれを隠して放浪の旅をしている。
だが、泊まっている旅館の美人女将に、荷物に紛れていたキーボードを見つけられてしまう。
「... お客さん。これは...」
「女将さん、やめてください。俺はもうキーボードは捨てたんです」


... だめだシュールすぎる。なんでキーボード持ち歩かにゃなんないんだ。次。

◎伝説の電子技術者
主人公はかつて凄腕の電子技術者と呼ばれた男だが今ではそれを隠して放浪の旅をしている。
だが、泊まっている旅館の美人女将に、荷物に紛れていた半田ごてを見つけられてしまう。
「... お客さん。これは...」
「女将さん、やめてください。俺はもう半田ごては捨てたんです」


... いいかもしれない(か?)。問題はどうやって半田ごてで美人女将のピンチを救うか、だな。

美人女将は悪の組織に捕らえられ、インシュロックで柱に縛り付けられている。
男は捨てたはずの半田ごてに電源を入れ、インシュロックを熱で溶かしだした...


... 電子技術者でなくていいじゃん。だめ。次。

◎伝説のピアニスト
主人公はかつて凄腕のピアニストと呼ばれた男だが今ではそれを隠して放浪の旅をしている。
だが、泊まっている旅館の美人女将に、荷物に紛れていたグランドピアノを見つけられてしまう。
「... お客さん。これは...」
「女将さん、やめてください。俺はもうピアノは捨てたんです」

だめだめ。グランドピアノなんて持ち歩けない。

だが、泊まっている旅館の美人女将に、荷物に紛れていた紙鍵盤(バイエル教則本の付録)を見つけられてしまう。
「... お客さん。これは...」
「女将さん、やめてください。俺はもうバイエルは捨てたんです」


... 捨てていいです。

どーもダメだなぁ。この路線は諦めるしかないのか。

いや、ひとついいのを思いついたぞ。

◎伝説のフードファイター
主人公はかつて無敵のフードファイターと呼ばれた男だが今では糖尿病を宣告されて大喰いを封印して放浪の旅をしている。
だが、泊まっている旅館の美人女将に、荷物に紛れていた黄金の箸を見つけられてしまう。
「... お客さん。これは...」
「女将さん、やめてください。俺はもうその箸は捨てたんです」

... 少しシュールだが今までのよりはいいだろう。多分...

美人女将を救うには誰かが、謎の組織の主催するフードファイトトーナメントで優勝するしかない。
主人公は封印したはずの大喰いで美人女将の恩に報いようとする。
謎の組織が送り込む刺客たちに苦しめられながらも主人公は際どく勝ちを拾って決勝戦に進む。

決勝戦はケーキ対決だ。
主人公は巨大なケーキを見て決意する。俺の体はもう限界だ。このケーキを喰えば命はないかもしれない。だが、俺の体なんかどうなったっていい。今は目の前の勝負だけを考えてやる。

そして主人公は拍手を浴びながら倒れる。歓声だけが彼が勝ったことを告げている。目の端に涙目の美人女将の姿が映る。主人公はふっと微笑み、そのまま意識を失う...


わたし「どーよこういう感動巨編?」
妻「どこが。」

(Oct. 21, 2006)

伝説てんぷれ fenrirくんに感謝!


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